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平成23年・24年度 山車水引幕復元新調事業完成披露式

最終更新日:2015年3月1日

平成23,24年度 金ヶ辻子山車水引幕復元新調事業完成披露式

 5月19日(日曜)にみなとつるが山車会館において、復元新調された水引幕(2面)の完成披露式を行いました。
 敦賀まつりの華とも言える6基の山車は、うち3基が敦賀市の文化財に指定されています。
 この指定文化財である3基の山車の水引幕は江戸時代から引き継がれてきたとも言われる大変貴重な文化財ですが、経年による劣化が著しいため、文化財保護の観点からも、これらの幕は歴史資料として大切に保存することとし、平成19年度より復元新調が行われています。
 先に完成披露した御所辻子山車(4面)、唐仁橋山車(4面)に続き、

平成23、24年度の2年間で
【金ヶ辻子山車(かねがずしやま)】の水引幕(4面)の復元新調を行いました。

 ※平成23年度金ヶ辻子山車水引幕復元新調完成披露式の様子はこちら 

金ヶ辻子山車(かねがずしやま)昭和46年市指定文化財

 山車の多くは戦災で失われてしまいましたが、わずかに焼失を免れたうちの1つが金ヶ辻子山車でした。しかし、金ヶ辻子山車の管理が困難になり、売却、散逸に直面した際、大金区出身の大塚末子氏により金ヶ辻子山車一式の購入がなされ、昭和45年に敦賀市へ寄附いただきました。こうして山車を一体のまま保存することが可能になり、翌年に敦賀市の文化財に指定されました。

水引幕(埒幕:らちまく)

 金ヶ辻子山車の水引幕(埒幕)には『中国故事図』が描かれています。
 かつて中国故事図のような絵柄は異国的な華やかさや吉祥のイメージなどが好まれ、絵画、彫刻、工芸など様々に用いられました。
 今回修復された水引巻は、中国の『二十四孝』から題材をとった絵柄となっています。『二十四孝』は儒教の徳目として重要とされる『孝』に優れた人物24名を取上げた書物です。日本にも伝わり道徳規範の手本として教育的に用いられたり、浄瑠璃といった芸能にも取り上げられています。また、説話集『御伽草子』にも入れられて、江戸時代には版本として刊行されています。

左右側面の水引幕(左:平成23年6月17日復元、右:平成25年5月19日復元)

 漢の文帝(ぶんてい)の故事を取上げています。漢の文帝は漢の高祖・劉邦(りゅうほう)の子で、母である薄太后(はくたいごう)に大変孝行を尽くし、食事の際は自ら毒見をするほどであったといいます。これほど仁義を実践できる人物はなかなか居るものではないと、臣下達が皇帝に推したとされています。図柄は右半分に中国風の宮殿を描き、両脇に侍女を従えた高貴な女性が卓を前に座っているところに、男性が侍従を連れ、回廊を渡って食事を運ぶ様子が表現されています。宮殿の周囲は蘇鉄らしき植物や岩、樹木が金糸の刺繍で表現され、いかにも異国的な、豪華な雰囲気になっています。右側面の水引幕は左側面に比べて宮殿の周囲に余白を取った構図ですが、左端の牡丹が色を添えて春の装いです。薄太后の左右の侍女がもつ団扇には本物の孔雀の羽が使われています。

前面の水引幕(平成23年6月17日復元)

 董永(とうえい)の故事です。董永は幼い頃に母と死別し、足の不自由な父を車に乗せて田の畦まで連れて行くなどして世話をし、父の葬儀は自分の身を売る約束で借金して済ませました。ある日、金貸しのもとへ働きに出る途中で女と出会います。その女は董永の妻となり、一月で上等な絹織物を三百疋(1疋は2反)織り上げ、借金を返済します。しかしその後、女は董永にみずからの素性を告げます。妻となった女は、董永の孝行に感心した天帝(てんてい)が董永を助けるために下した天の織姫だったのです。
 水引幕の図柄は、女が董永の元を去って天に昇っていく感動的なラストシーンです。水辺の風景として描かれているのは、水神(龍・蛇)に仕え機を織る巫女のイメージと天の織姫が重なったのかもしれません。

後面の水引幕(平成25年5月19日復元)

踊っているかのような童子を中央に、猛々しくも大きな虎を左に、右には樹木の陰に隠れるように老人を配する楊香(ようこう)の扼虎救父(やくこきゅうふ)の場面です。楊香はある日父と山中に出かけた時、飢えた虎に出会い、父を助けたい一心でこれを追い払おうとしたけれど叶わず、「我命を虎に与えて父をたすけたまえ」と懸命に祈りました。すると、今にも喰らいかからんばかりであった虎が突然逃げ去ってしまいます。これも楊香の、孝行の志が起こした奇特であったと伝えられています。

『金ヶ辻子山車』と復元新調された水引幕は現在、
みなとつるが山車会館でご覧いただけます。

情報発信元

みなとつるが山車(やま)会館

敦賀市 相生町7番6号
電話:0770-21-5570
ファックス:0770-21-5572

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