更新日:2017年2月1日
足を大きく振り上げ、田植踊りを踊る男衆
1月29日、福井県指定無形民俗文化財「野坂だのせ祭り」が野坂公会堂にて行われ、地区住民や見物客など約70人が集まりました。
だのせ祭りは豊作祈願の神事で、室町時代に始まったといわれています。午後から行われる「だのせ踊り」では、まず、紺色の素襖(すおう)と呼ばれる衣服を着た男衆が、「田打ち歌」に合わせて、「だのせのせのやー」と合いの手を入れながら、くわに見立てた木の棒で太鼓を打ち、田を耕す様子を表す「田打踊り」を舞います。その後、歌が「田植え歌」に変わり、稲の苗に見立てた杉を手に持ち田植えを演じる「田植踊り」を舞い、今年の豊作を祈ります。
田打踊り くわに見立てた棒を構える子どもたち
田打踊り 棒で太鼓を打ち、田を耕す様子を表す
だのせ踊りは子どもと大人の舞が交互に行われます。
子どもたちは、真剣な表情で時折笑顔を見せながら踊り、その姿に観客は目を細めていました。また、大人たちは、額に汗を光らせながら、迫力のある舞を披露しました。
踊りを披露した地元の小学5年生古屋昂己(ふるやこうき)君(11)は、「最初はちょっと恥ずかしかったけど、人前できちんと踊れて楽しかった。毎年続けていきたい」と話し、小学6年の時以来23年ぶりに踊りに参加した佐藤雅晴(さとうまさはる)さん(35)は「大人の踊りは子どもの時より踊る時間が長いので少し疲れました。でも、久しぶりに参加できてうれしかった。」と話してくれました。
子どもたちの田植踊りの様子
踊りの合間に「果報者」として胴上げされる子ども