みんなの文化財 第17回 相撲甚句
最終更新日:2015年3月1日
相撲甚句 写真
■第17回 相撲甚句
■毎年9月15日、阿曽区の利椋八幡神社では秋祭りの行事として相撲が奉納されます。こうした宮相撲はかつては各地区で行われ、力自慢の若者は互いに遠征して参加したということです。
阿曽ではその宮相撲の中入りに相撲甚句が歌われ,相撲踊りが踊られます。
踊り手を力士と呼び、大関濱錦、関脇早竹、小結村雲、前頭若靭(わかうつぼ)等の四股名がつけられています。それぞれに豪華な化粧回しがあり、それらは個人の家で代々所有されています。
踊りの舞台となるのは神社の境内にある土俵。化粧回しをつけた10人の力士が、行司の拍子木に合わせて一人ずつ土俵入りします。ぐるりと土俵を取り囲むと、音頭取りの歌に合わせて踊りつつ土俵を反時計回りに巡り、合間に「ヤストコヤストコヤストコショ」などと威勢良くハヤシを入れます。踊りには最初に踊られる大踊りと小踊りがあり、小踊りはややテンポが速くて歌詞には滑稽味のあふれるものが多く、新作も作られています。
最近では地区の子供たちによる相撲甚句も演じられています。
阿曽の秋祭りを彩る相撲甚句は県の民俗文化財に指定されています。
■ひとこと解説
『小踊りの歌詞』
記録されている中から、一つだけ紹介します。
『きゅうりと かぼちゃと すも(相撲)見に出かけ/そこで木戸番がいうようにゃ もしこれこれかぼちゃさん きゅうりにすもうは みせるけど/かぼちゃ そなたにすも見せぬ そこでかぼちゃは腹を立て/なぜにわたしにゃ すもみせぬ そこで木戸番がいうことにゃ/わが日の本はむかしより きゅうりにゃ すもみ(酢揉み・酢の物)はなるけれど かぼちゃですもみに なりはせぬ』 アヤストコヤストコヤストコショ。